<説 明>
「結露」について、計算値ばかりではない実態的な場面を想定し、対応可能な許容性・実際性についてこそ検討する必要があります。
上のグラフの「折れ線」は空気の温度変化とともにその飽和点が比例することを表わし、同じ意味ですが「折れ線」は各温度における湿度100%の状態を示しています。
物理的な運動にはすべて「時間」の経過が関わりますが、実際に「湿度」の問題を考える場合も同様です。冷たい水の入ったコップの表面に結露が起こる場合、ガラス面を通じた熱交換の時間経過と、それがさらに湿った空気に触れる熱交換までの時間経過があります。
冷水のコップが置かれ、熱交換が始まり、徐々に結露してゆく、この現象は冷水がまわりの空気温度に達するまでつづき、止まります。
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上のグラフは、例えば湿度60%の25℃の空気が即時に15℃まで冷やされた場合、その湿度は106%となり、空気中の水分は飽和状態を6%超え、その空気を冷やしている原因である冷熱源に水分が付着する、というイメージを示します。
これが「結露」です。
逆に、この結露現象を24時間維持するにはどうするか、と考えます。
冷熱源(コップの水)は15℃を維持しつづけることと、空気中の水分が100%以下にならないよう、加湿器などで連続的に水分を空気中に補給し、同時に周囲の「物」の温度が空気温度と一致するまでつづきます。
さらに実際の運転は下図のような設定でおこないます。 |
実際の蓄冷運転での温度・湿度の変化

※この図は手書きのグラフのため若干の誤差があります
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湿度70%の30℃の空気が密閉空間で一気に25℃まで冷やされた場合を考えます。
温度30℃・湿度70%の空気1立方mには約21gの水分が含まれます。
温度25℃で21gの水分を含む空気の相対湿度は92%となり、結露の一歩手前といったところです。
これをさらに20℃まで一気に冷却すると、相対湿度は123%となって飽和点を超え、約3.92gの水が結露の量となります。
面積65uの建物での床下空間を約39立方mとすると、上と同じ条件での結露の水量は3.92×39≒153gとなります。これはコップ一杯弱の分量に相当します。
ところで「蓄冷式床冷房」での実際の結露はどうかというと、床下のほぼ密閉された空間では、水分の飽和点を超えてさらに連続的に水分が補給されない限り、結露現象は起こりません。そもそもの水分量が一定のままなので、湿度は低下してしまうからです。
この程度のオーバー分の水量(コップ一杯弱)では、実際には空気中の水分は吸水性のある「物」へと移動してしまい、相対湿度は結露点を下回ります。グラフ内の「相対湿度低下」はそのイメージを示しています。
最近の吸水性調湿ボードや通気性のある壁紙は、そのようにして余計な湿気を吸収するようにできています。
「蓄冷式床冷房」においても、蓄熱体であるコンクリートが湿気を吸ってしまいます。特に蓄熱暖房をして一冬を越えた蓄熱体は、乾燥しきって吸湿性が向上しているため、コップ一杯の水程度では結露に至りません。
実際の蓄冷運転では、30℃の空気を20℃まで下げるのに8時間以上かかります。暖房の場合でも同様で、同じ能力なら8時間を要します。
ただしこのあと、建物の保温能力にもよりますが、蓄熱式の特性として、下げた温度は簡単には上がらず、暖房時も上昇させた温度は簡単には下がりません。
冷房時の相対湿度は時間経過とともに刻々と変化し、飽和点を越える前から、湿気は周囲の物へと熱交換とともに移動します。ほぼ自然な形でそうなります。普通でも夏期の湿度は昼と夜の温度差でよく運動します。通常の床下では、外気に開放されているため、常時その影響を受け、湿気が温度差とともに出入りしています。その湿気もまた。土台や他の木部が通常は自然の範囲で呼吸しています。
逆に結露を強制的に起させるには、連続的に不足した水分を床下空気に補うことが必要です。実際の場面でその条件に合うのは室内側で、調理などが連続的で多量の水蒸気を発生させるため、換気が悪いと室内のどこかで結露を招くことがあります。この場合は冬期の空調暖房のほうが結露しやすくなります。
このため夏期ではエアコンや除湿機は対策として有効になります。
床冷房の場合にも除湿は必要になりますが、次の「冷房環境と実際の運転」の項で説明しています。 |
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