温水・冷水を作るヒートポンプ。「省エネ」の実際的な形がこれです。


<床下空間での温度・湿度・結露の関係>
※08/07/05 一部加筆しました
※蓄冷式床冷房では当然ながら「結露」を心配される場合が多いため
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床冷房の第一の目的は「電気代の節約」です。安い深夜電力を積極的に利用し、昼間の高い「夏期特別電気単価」の使用を控える目的で、床暖房システムの付加機能として床冷房を採用する、という考え方です。
工事費は床暖房工事費用そのままで、熱源機のヒートポンプのみ、冷房機能を持った機器を採用するため、その機器代のアップ分
8万2千円のみ全体予算としては高くなる、というものです。
エアコン一台より安いコストアップです。

夏休み、お子様が一日中家にいるとします。近年の猛暑ではエアコンなしには過ごせません。オール電化の家で昼間に二台のエアコンを運転させていると、どれくらいの電気代がかかるでしょうか。一台の消費電力を600Wとすると、410円となります。この運転を夏休み中、朝8時から夜の9時までつづけますと、電気代は16,400円となります。
現在、部屋ごとにエアコンがあるお宅は多くなっています。実際には二台の運転で済むでしょうか。熱帯夜もあります。せめて夏バテの夜ほどグッスリ眠りたいものです。
>>>理屈よりも簡単な実験で結露の様子がわかります
まず、部屋の温度をエアコンで25〜27℃に保ちます。
コップを二つ用意し、一つを、もう一つをとします。
には10℃(冷蔵庫で冷やした水)を入れ、もう一つのには水道水の水(夏なら22〜25℃程度)を入れます。これで結露の実験になります。
(常温180ccの水に冷蔵庫の製氷機で作った角氷を一個入れると、だいたい20℃前後の水になります。この20℃の水で実験しても構いません。実感できる大体の目安が得られれば目的は達成されます)
はだれでも経験している通り、すぐにコップの表面が曇り、結露が始まります。
重要なのはですが、結果的に結露は起こりません。
さらに詳しく試すには、部屋の温度と湿度を変化させて比べてみれば、どの範囲で結露が起こるかが分かります。

床冷房の場合、床温度は25℃前後まで冷やします。理屈より実験が手っ取り早いため、盛夏にこの温度まで床を冷やした結果、この温度範囲が実際的な有効温度と判明しました。
同時に、この「有効温度」は建物の「断熱性能」や「換気」の条件も関係します。実際に敷設していただいたお客様の中には、「27℃が快適」とおっしゃる方もおられます。そのように設定温度に巾があるのは、これら条件の応用に関わってきます。
冷房について国の示す省エネ温度(空気温度)「28℃」はたいていの場合不快ですが、この「28℃」で快適といいうる条件は、湿度、室内の壁や天井・調度品など「物」・人の体温を含む総熱量、窓から来る太陽の輻射熱量により相違します。温度という間接的な数値ではなく、総熱量が問題です。直射日光が当たっていなくても、日陰の窓からも乱反射による輻射熱(赤外線)は多量に入ってきます。これも不快な原因としてのウェートは大きなものになりますが、窓ガラスの外側に赤外線をカットするフィルムを貼るなどの対策を採れば有効です。赤外線をカットする「性質」とは、端的には金属質の電導体である素材がそれです。

※「結露しない」ということは「除湿しない」ということでもあります。
  そのため除湿にはエアコンを微弱運転で併用します。
  深夜蓄冷の最大の目的は「電気代の低減」です。

問題となるような激しい結露が起こるのは、結露面を挟んで表裏の温度差が大きいことと、結露側の湿度も高いまま補給されるつづける(空気の運動が激しい)という条件が満たされた場合です。
これを逆に言えば、結露を起こしつづけることもまた、なかなか困難です。そのためには常時、新鮮な湿った空気を補給し続けなければならないからです。


※この図は手書きのグラフのため若干の誤差があります
<説 明>

「結露」について、計算値ばかりではない実態的な場面を想定し、対応可能な許容性・実際性についてこそ検討する必要があります。
上のグラフの「折れ線」は空気の温度変化とともにその飽和点が比例することを表わし、同じ意味ですが「折れ線」は各温度における湿度100%の状態を示しています。
物理的な運動にはすべて「時間」の経過が関わりますが、実際に「
湿度」の問題を考える場合も同様です。冷たい水の入ったコップの表面に結露が起こる場合、ガラス面を通じた熱交換の時間経過と、それがさらに湿った空気に触れる熱交換までの時間経過があります。
冷水のコップが置かれ、
熱交換が始まり、徐々に結露してゆく、この現象は冷水がまわりの空気温度に達するまでつづき、止まります。
上のグラフは、例えば湿度60%の25℃の空気が即時に15℃まで冷やされた場合、その湿度は106%となり、空気中の水分は飽和状態を6%超え、その空気を冷やしている原因である冷熱源に水分が付着する、というイメージを示します。
これが「結露」です。
逆に、この結露現象を24時間維持するにはどうするか、と考えます。
冷熱源(コップの水)は15℃を維持しつづけることと、空気中の水分が100%以下にならないよう、加湿器などで連続的に水分を空気中に補給し、同時に周囲の「物」の温度が空気温度と一致するまでつづきます。

さらに実際の運転は下図のような設定でおこないます。
実際の蓄冷運転での温度・湿度の変化

 
※この図は手書きのグラフのため若干の誤差があります
湿度70%の30℃の空気が密閉空間で一気に25℃まで冷やされた場合を考えます。
温度30℃・湿度70%の空気1立方mには約21gの水分が含まれます。
温度25℃で21gの水分を含む空気の相対湿度は92%となり、結露の一歩手前といったところです。
これをさらに20℃まで一気に冷却すると、相対湿度は123%となって飽和点を超え、約3.92gの水が結露の量となります。
面積65uの建物での床下空間を約39立方mとすると、上と同じ条件での結露の水量は3.92×39≒153gとなります。これはコップ一杯弱の分量に相当します。

ところで
「蓄冷式床冷房」での実際の結露はどうかというと、床下のほぼ密閉された空間では、水分の飽和点を超えてさらに連続的に水分が補給されない限り、結露現象は起こりません。そもそもの水分量が一定のままなので、湿度は低下してしまうからです。
この程度のオーバー分の水量(コップ一杯弱)では、実際には空気中の水分は吸水性のある「物」へと移動してしまい、相対湿度は結露点を下回ります。グラフ内の
「相対湿度低下」はそのイメージを示しています。
最近の吸水性調湿ボードや通気性のある壁紙は、そのようにして余計な湿気を吸収するようにできています。
「蓄冷式床冷房」においても、蓄熱体であるコンクリートが湿気を吸ってしまいます。特に
蓄熱暖房をして一冬を越えた蓄熱体は、乾燥しきって吸湿性が向上しているため、コップ一杯の水程度では結露に至りません。



実際の蓄冷運転では、30℃の空気を20℃まで下げるのに8時間以上かかります。暖房の場合でも同様で、同じ能力なら8時間を要します。
ただしこのあと、建物の保温能力にもよりますが、蓄熱式の特性として、下げた温度は簡単には上がらず、暖房時も上昇させた温度は簡単には下がりません。
冷房時の相対湿度は時間経過とともに刻々と変化し、飽和点を越える前から、湿気は周囲の物へと熱交換とともに移動します。ほぼ自然な形でそうなります。普通でも夏期の湿度は昼と夜の温度差でよく運動します。通常の床下では、外気に開放されているため、常時その影響を受け、湿気が温度差とともに出入りしています。その湿気もまた。土台や他の木部が通常は自然の範囲で呼吸しています。
逆に
結露を強制的に起させるには、連続的に不足した水分を床下空気に補うことが必要です。実際の場面でその条件に合うのは室内側で、調理などが連続的で多量の水蒸気を発生させるため、換気が悪いと室内のどこかで結露を招くことがあります。この場合は冬期の空調暖房のほうが結露しやすくなります。
このため夏期ではエアコンや除湿機は対策として有効になります。
床冷房の場合にも除湿は必要になりますが、次の「冷房環境と実際の運転」の項で説明しています。
「冷房環境と実際の運転」
-蓄冷式床冷房-


通常ですと空気温度が上昇すると湿度は低下し、温度が下がると湿度は上昇します。これが相対湿度の基本的な性質です。
空調機器の場合、室内空気を一気に冷却するため、そもそも結露は冷房機内の熱交換器で発生し、それをドレンパイプで屋外に排出することにより室内の湿度を低下させています。
蓄冷式の冷房の場合、湿度と結露の問題を室内と床下空間それぞれ別に考える必要があります。

まず、
床冷房運転中の室内側では湿度変化は起こりません。室内がひんやりしても、室内空気に対して床暖房と同様に間接的にしか影響を与えないためです。
普通は「
暖房」「冷房」というと、どうしても空気の温度を連想します。
ですが、
床暖房床冷房では、「赤外線の働き・性質」によって効果を期待するため、空気には間接的にしか影響を与えません。
このことは「湿度」についても同様で、あまり影響を与えません。
ここでは話を床冷房に限定しますが、室内の人を含む「物」に含まれた熱が、それより温度の低い「物」へと赤外線の形で熱が移動する性質を利用したのが、
床冷房です。
「結露」の問題ですが、室内の床表面ではどうなるでしょうか。下の図をご覧ください。




※ベタ基礎で床を直張りしている例では・・・
このケースで床に結露させるためには、実際には床表面を20℃以下まで冷やすとともに、湿った空気をファンなどで吹き付けないと結露は起こりません。床冷房の場合、床表面温度が20℃だと冷やしすぎで足元が不快になるため、おのずと結露するまで冷やしません。
※「それでもうっかり冷やしすぎたらどうなる」
 と、現場主義の工務店さんは慎重です。疑い深いわけではありません。直接に責任を負う立場として、これは好ましい疑義です。「完璧」がいかに困難なことか、経験者はよくよく承知しています。
結露は床冷房を採用していなくても起こりますし、床暖房時にも条件によっては床下で結露を起した例が確かにあります。それが「床冷房」であるなら、これはさらに要注意と警戒するのは至極当然なことです。
そして心配の通り、、冷やしすぎたら
、確かに結露します。
例えば二、三日間連続運転をして床温度を20℃前後まで冷やし、そこへ窓を全面開放して猛暑を室内へと招き入れれば、どこかしらで結露を起す可能性があります。
実験ではなかなか結露が見られないのですが、浴室の洗い場など石やタイルなど、あるいはコンクリートの三和土では、冷やしすぎたそこへ暑く湿った外気を吹き込ませると、簡単に
結露します。フローリングなど木部の表面では伝熱が悪く熱の交換速度が遅いため結露しにくいのですが、冷やしすぎたコンクリートなどの材質表面では、