<一般的な電気式貯湯ボイラーの構造図>
これが「貯湯ボイラー」の基本形です。図はあくまで概念だけで余計なものは省略しています。
「電気」「ガス」「石油」等、すべてに共通するボイラーの基本構造はこうなっています。 |
一頃の「電気温水器」もこれです。いろいろ不評がありました。特に致命的だったのは「水圧」です。シャワーの勢いが足りない、ということ。缶体と呼ばれるタンクを内側から来る「圧力」から守るために、「減圧弁」という装置で圧力を抑えていました。その結果として使用水圧が落とされていました。
元の「給水圧力」がいくら高くても、この「減圧弁」がだいたい0.8k/cu(約0.08MPa)まで圧力を押さえているため、特に2階に浴室がある場合は致命的でした。勢いが足りません。 |

※「安全弁」はその名のとおり貯湯タンクの破裂を防ぐ缶体内の異常圧力を抜くための
装置です。巨大なヤカンを電気ヒーター・ガス・石油を燃料にしてお湯を沸かすわけ
ですが、その際、このヤカンは密閉されていて危険なので、この「安全弁」が取付け
られています。一方でボイラーが「圧力容器」とも呼ばれるゆえんです。
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| <エコキュートの仕組み> |
タンクの基本構造は変わりません。これもれっきとした貯湯ボイラーです。
下の説明図の通り、違うのは熱交換の仕組みなどです。
<下図の各ポイントの説明>
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それまでの「ヒーター式」加熱方法と違い、「ヒートポンプ式」で消費電力が小さい。粗雑な数値ですが、1kWの電力で3kW以上の熱エネルギーを作ります。エコキュートはここが利点で、エネルギーの熱への変換効率がとても良いといえます。
ちなみにガスの場合は、1kWのエネルギーで0.9kWの熱エネルギーを作ります。石油機器で0.8前後となります。 |
ポ
イ
ン
ト
2 |
実際の「減圧弁」はこの説明図とは違い、エコキュートでは本体内蔵型になってスッキリしています。
給湯圧力は従来の約2倍前後になり、ガス給湯器などと比較しても引けを取りません。従来の電気温水器と違い、エコキュートでは缶体にステンレスを使うなど、質的改善があります。制御システム的にもより複雑になり、いまだ主流のガス給湯器の便利さに近づこうとしています。 |
ポ
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ト3 |
この「湯水自動混合弁(比例弁)」があるということは、従来は手元でお湯と水を混合して温度調節(手動)していたわけですが、エコキュートではリモコンで温度指定し、指定された温度のお湯を作り出すためにこの「湯水自動混合弁」が働きます。
このことは「簡単・便利」を示すというより、余計な流量のお湯を流さない、という設計上の「省エネ思想」を表しています。サーモ付きの混合水栓を使っている家庭では、この「湯水自動混合栓」は不要だからです。それでもこれが付けられるのは、なにがなんでも「省電力」という、いわば「意地」みたいなものです。深夜電力料金と併せ、「オール電化」への徹底した対応が読み取れます。
一方でお湯の使い方がゼイタクになっている現在、いくら省エネでもこれは評価が分かれるところでしょう。豊富なお湯と、たとえば蛇口をひねればすぐお湯が出るという仕組みなどの方が、どうしたって単純便利です。「即出湯」といいますが、ホテルなどがそうです。現在のところ製造メーカーはこの仕組みを取り入れるのに消極的です。ほんのちょっとしたシステムのアレンジで簡単に実現できる機能ですが、メーカーは徹底的な省エネシステムに執着している様子です。
その一方で、しかしソーラーシステムなどでの補助給湯システムとのドッキングを構造的に認めていません。これは自然エネルギーの利用や「省エネ」という観点では矛盾していることになります。
しかし、いずれ「もっと便利・快適、そして省エネ」が希求されるでしょう。関東圏ではまだまだ、エコキュートはこれからが「普及時代」といったところでしょうか。
ここはあくまで、こと維持費において、「意外に安い電気の熱」と、割り切るべきでしょう。それだけでももちろん十分な魅力があります。 |
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※この図は温水床暖房専用熱源機で説明しています。まだ3機種しかありません。
ダイキンと長府製作所から発売されていて、蓄熱には長府製作所のものを使用。

エコキュートで使用する熱源「ヒートポンプユニット」を利用した「暖房専用熱源機」がこれです。
システム的に「エコキュート」よりシンプルになるので「故障率」も下がるはず。 |
※床暖房機能付エコキュートがありますが、ここでは無視しています。能力が小さすぎ、「オマケ」の域をでていないからです。
<製造メーカーへの要望>
「暖房専用熱源機」については現状のラインナップはまだ消極的。もっと機種を増やすべきです。エコキュートこそいろいろ賑やかに機種が出揃っていますが、暖房専用熱源機はまったくスタートラインに立ったばかり。
モアを訪ねてくるメーカーさんには、その都度要望を出していますが、たった一社の要請ではやはり、「開発資金」を投入できないのが実情。
しかし、増えつつある潜在需要の開拓では、先鞭をつけることが大事なのでは。比較的に開発熱心なのが長府製作所です。
やはり電機メーカーより、もともと給湯機器を中心に開発・製造しているメーカーのほうが、「お湯」についてはプロです。コロナも頑張っています。
今回、紹介してもらってコロナの技術部に電話し、エコキュートの仕様をアレンジするにあたっての見解を聞きました。
機種によりますが、エコキュートの貯湯タンクは、一晩で熱量にして33,000kcal/h=38kW相当のお湯を溜めることができます。この「熱」を昼間に蓄熱層に移し、床暖房に利用するという案がありますが、構造的にはこれを実行しても大丈夫か、という質問などをしました。構造・制御の仕組みなどの問題で、実験はしていないが結果がわからないので止めたほうがよい、という返事などをもらいました。
当然ながらといいますか、責任部署ほど慎重で、イエス・ノオの範囲は限られていて、この返事は予想通りでした。お湯のソーラーコレクターなどとの接続にも消極的でした。ガッカリはいたしません。かつてガスの蓄熱式床暖房の実行にあたっても、ノーリツやパーパスといったメーカーは消極的でした。ポンプが弱い、カロリーが足りない、などが問題点でしたが、これもまた実験をした上での結論ではありませんでした。ある種の思い込みで懸念を表明したにすぎません。それぞれ「立場」があるのです。あるいは配慮が。
メーカーにおいては特定機種の「量販」が優先で、いまだ背景にある「消費低迷」を受けて冒険はできない、とでもいった事情があるのでしょう。あるいは上司からの「命令」を必要とするといったところ。逆の進言は通らないのでしょうか。
が、それらこそ不景気な発想です。もはや商品開発のポイントははっきりしています。
○質の良いもの
○便利なもの
○環境を意識している
○価格の適正性
○新しさを予感させる
これらの条件が満たされていたら、即時、投資すべきでは?東京電力もかなりバックアップしているではないですか。一方で東京ガスも必死でガス機器メーカーを相互補完的にバックアップしてきています。
しかし、「内部事情」などというものは、時流により簡単に払拭されてしまいます。躊躇は時間のムダ。
販売店を活気づけるには、特定の方向にではなく、多角的な展開が可能な商品のラインナップが必須です。
いわゆる「量販店」の持つ強みとはまったく別に、当面は「量販店」では手の出せない領域の商品が「エコキュート」に連なる商品群です。
例えば、今回の暖房専用ヒートポンプ熱源機は、もっと積極的な応用が可能です。夏場に遊ばせないよう、エアコンとセットにするのも確かに一つですが、これは消極的です。躯体蓄熱式暖房設備をそのまま、「躯体蓄冷」として深夜電力で運転すれば、夏場の電力需要の分散に貢献できます。これもヒートポンプを逆回転させればいいだけ。ほんの少し、数度だけ躯体温度を下げれば、それでどれくらいの冷房能力に相当するか、試算してみてください。エアコンは昼間電力利用ですが、昼間にこれと蓄冷効果を併用すると、エアコンは除湿運転するくらいでほとんど止まっています。お試しを。
1機種「多機能」もいいですが、これは現状のガス風呂釜ばかりライバル視した結果です。近視眼的。より複合的に、電気ならではの柔軟性を応用すべきです。
ガスはガス、石油は石油、電気は電気です。それぞれがメリットを主張することで、市場的には活況を呈することになります。
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